時には自転車の速度で

生き方・働き方

小学生の頃は徒歩圏内が主な行動範囲で、自転車に乗っていてもそこまで遠くには行かず、学区内を色々と行き来した。

中学生になって世界が少し広がって、もう少しだけ遠くへも、自転車で出かけるようになった。夜更かしの楽しさも覚えたり。

高校生になって、自転車があればかなり遠くまで出かけられることを知った。今まで親に車で連れて行ってもらったところも、自転車だったら一人ですいっと行けると知った。

大学生になって、車があれば日本全国どこにでも、出かけることができるようになった。一気に世界が開けた瞬間。

社会人になって電車の便利さを知って、自分で移動しなくても、正しい電車に乗っていさえすれば目的地にたどり着けることを知った。

 

今も電車や車で移動することがとても多くて。それは本当にとても便利なので、生活と切り離すことは難しい。

 

でも、時々自転車に乗ると、自転車での世界で気付くこともある。
電車や車で通りすぎてきたことに気づくことがある。

今はまさにそんな心境で、自転車どころか徒歩に戻った感覚がある。

 

会社を辞めて、今まで稼げていたものも無くなって、むき身の自分では経済的に自立することも難しいことを知った。

 

「じゃあ何をして生きていくことができるのだろう?」とふりかえるために、今までの自分の生き方や、自分の中に眠ってる興味関心を、丁寧に見て回っている感覚。

 

義務教育を終えて、高校に行って、大学に行って、会社に入って…という流れの中で取りこぼしてきた、”自分が何をおもしろがって進んでいけるか”に正直になれるよう、ゆっくりと、時には立ち止まりながら、自分の中を見て回れるような時間がとれていると思う。ちょっとした訓練のよう。

 

お金を稼げないことで「自立できていない」事に対する精神的なストレスもあるけれど、”仕事”と”プライベート”を分けるのではなく、ずっとお互いがお互いと関わっていけるようなものに育てていきたい。

 

そのために、ゆっくり自分のことを見つめ直すという大切な時間が生まれた今だからこそ、今まですっ飛ばしてきた自分の正直な気持ちと向き合える気がしている。

 

徒歩でもいいけど、ちょっとだけ、急ぎたいから。
自転車を使って走る。そのくらいの速さで見知った道も見つめ直したい。

 

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